大和三山

  中大兄(近江宮に天の下知らしめしし天皇)
  の三山の歌
香具山(かぐやま)は 畝火(うねび)を 愛(を)ししと 耳梨(みみなし)と  あひあらそひき 神代より かくにあるらし いにしへも しかにあれこそうつせみも 嬬をあらそふらしき   (一ー一三)
    反歌
香具山と 耳梨山と あひし時 立ちて見に来し 印南国原              (一ー一四)
わたつみの 豐旗雲 に 入日(いりひ)さし こよひの月夜 まさやかにこそ   (一ー一五)
   右一首の歌、今案(かむが)ふるに反歌に
   似ず。ただし旧本此の歌を以て反歌に載す。
   そゑに今なほ此の次に載す。また紀に曰は
   く、天豐財重日足姫天皇の先の四年乙巳に
   天皇を立てて皇太子となすといへり。

狭井神社の西の岡から見た三山。吉永登氏の説
の如く、畝火山を中に置いた香具山と耳成山の争
いが想定できる景である。磯城地方で起こった伝
承であることを思わせる。

久延毘古神社境内から見た三山