ちがや

故、其の老媼の住める屋は、近く宮の邊に作りて、日毎に必ず召しき。故、鐸(ぬりて)を大殿の戸に懸けて、其の老媼(おみな)を召さむと欲(おも)ほす時は、必ず其の鐸を引き鳴らしたまひき。爾に御歌を作(よ)みたまひき。其の歌に曰(の)りたまひしく、
  淺茅原(あさぢはら) 小谷(をだに)を過ぎて
  
百傳(ももづた)ふ 鐸(ぬて)(ゆら)くも
    置目(おきめ) 来(く)らしも
とのりたまひき。       (顕宗記 置目老媼)

茅〈つばな〉の花