碁檀越(ごのだんをち)の伊勢国に往きし時、
留れる妻の作る歌一首
神風の 伊勢の濱荻(はまをぎ) 折り伏せて 旅宿(ね)やすらむ荒き浜辺に (五〇〇)
葦辺なる 荻(をぎ)の葉さやぎ 秋風の 吹き来るなへに 雁鳴き渡る〈一に云はく、秋風に 雁が音聞ゆ 今し來らしも
〉 (二一三四)
妹なろが 使ふ川津の ささら荻(をぎ) あしと人言(ひとごと) 語りよらしも (三四四六)
葦・荻・背高泡立草が入り交じっている
右から荻・葦・背高泡立草・里芋・金葎などがまじる