野蒜

のびる(野蒜の群生とその根  兵庫県朝来郡和田山町で撮影)

 かれ建内の宿禰の大臣、大命を請ひしかば、天皇即ち髮長比賣(かみながひめ)をその御子に賜ひき。賜へる状は、天皇豐明(とよのあかり)聞こしめす日、髮長比賣に大御酒の柏を取らしめて、その太子に賜ひき。ここに御歌よみしたまひしく、
  いざ子(こ)ども 野蒜(のびる)摘(つ)みに
  蒜(ひる)摘(つ)みに 我(わ)が行(ゆ)く道(みち)の
  香妙(かぐは)し 花橘(はなたちばな)
  上枝(ほつえ)は 鳥(とり)居(ゐ)枯(が)らし
  下枝(しづえ)は 人(ひと)取(と)り枯(が)らし
  三栗(みつぐり)の 中(なか)つ枝(え)の
  ほつもり 赤(あか)ら孃子(をとめ)を
  誘(いざ)ささば 宜(よら)しな
                              (応神記)