二上山(大和)

   大津皇子の屍を葛城の二上山に移し葬る時、
   大來皇女の哀しび傷(いた)む御作歌二首
うつそみの 人にあるわれや 明日よりは 二上山を 弟世(いろせ)とわが見む      (二ー一六五)
磯のうへに 生ふる馬醉木を 手折らめど 見すべき君が ありと言はなくに         (二ー一六六)
    右一首、今案(かむが)ふるに、移し葬る歌に
    似ず。けだし疑はくは、伊勢の神宮より京に
    還る時、路のへに花を見て感傷哀咽してこの
    歌を作るか。