紀女郎の大伴宿禰家持に贈る歌二首(2) 昼は咲き 夜は恋ひ寝る 合歓木(ねぶ)の花 君のみ見めや 戯奴(わけ)さへに見よ(八ー一四六一) 右のものは、合歓の花と茅花とを折り攀ぢて 贈れるなり。 大伴家持の贈り和(こた)ふる歌二首(2) 吾妹子が 形見の合歓木は 花のみに 咲きてけだしく 実(み)にならじかも(八−一四六三) 寄物陳思 吾妹子を 聞き都賀野邊(つがのべ)の しなひ合歓木(ねぶ) 吾は隱(しの)び得ず 間無くし思へば(十一ー二七五二)