大伴宿禰駿河麿、同じ坂上家の二孃を
  娉ふ歌一首
春霞 春日の里の 植子水葱(うゑこなぎ) 苗なりといひし 枝はさしにけむ
                   (三ー四〇七)

上毛野 伊香保の沼に 植ゑ子水葱(こなぎ) かく戀ひむとや 種求めけむ
                (十四ー三四一五)

苗代の 子水葱が花を 衣に摺(す)り 馴るるまにまに 何(あぜ)か愛しけ
                (十四ー三五七六)

  長忌寸意吉麻呂歌八首(第六首)
  酢、醤(ひしほ)、蒜(ひる)、鯛、水葱を詠む歌
醤酢に 蒜搗き合(か)てて 鯛願ふ われにな見せそ 水葱(なぎ)の羹(あつもの)
                (十六ー三八二九)


私の水葱体験=以前、稲刈りをした後に、いかにもみずみずしく、柔らかそうな水葱がありましたので、試みに採って帰り、すまし汁の具として入れて食べてみました。すでに秋であったからか、あるいは調理法をわきまえなかったためか、結構悪食に堪ええると思っていた小生も、あまりのえぐ味の強さに、食べることができませんでした。意吉麻呂の歌はこの体験に基づいて解釈したいと思っています。

小水葱(こなぎ)