紫(紫草)

 天皇、蒲生野に遊獵(みかり)したまふ時、額田王の作る歌
あかねさす 紫野(むらさきの)行き 標野(しめの)行き 野守(のもり)は見ずや 君が袖振る(一ー二〇)
 皇太子の答へましし御歌〈明日香宮に天の下知らしめしし天皇、諡して天武天皇といふ 〉
紫草(むらさき)の にほへる妹を 憎くあらば 人妻ゆゑに われ戀ひめやも(一ー二一)
 紀に曰はく、天皇七年丁卯、夏五月五日、蒲生野に縱獵(かり)したまふ。時に大皇弟・諸王・内臣と群臣、悉皆に從(おほみとも)そといへり。

奈良県立万葉文化館で撮影