葦原の 瑞穗(みづほ)の國に 手向(たむけ)すと 天降(あも)りましけむ 五百萬(いほよろづ) 千萬神(ちよろづかみ)の 神代より 言ひ續(つ)ぎ來る 神名火の 三諸(みもろ)の山は 春されば 春霞立ち 秋行けば 紅(くれなゐ)にほふ 神名火の 三諸の神の 帶にせる明日香の川の 水脈(みを)速(はや)み 生ひため難き 石枕 蘿生(こけむ)すまでに 新夜(あらたよ)の さきく通はむ 事計(ことはかり) 夢(いめ)に見せこそ 劒刀(つるぎたち) 齋(いは)ひ祭れる 神にし坐(ま)せば (13−3227)
反歌
神名火(かむなび)の三諸の山にいつく杉思ひ過ぎめや蘿生(こけむ)すまでに (13−3228)