葦原の 瑞穗(みづほ)の國に 手向(たむけ)すと 天降(あも)りましけむ 五百萬(いほよろづ) 千萬神(ちよろづかみ)の 神代より 言ひ續(つ)ぎ來る 神名火の 三諸(みもろ)の山は 春されば 春霞立ち 秋行けば 紅(くれなゐ)にほふ 神名火の 三諸の神の 帶にせる明日香の川の 水脈(みを)速(はや)み 生ひため難き 石枕 蘿生(こけむ)すまでに 新夜(あらたよ)の さきく通はむ 事計(ことはかり) 夢(いめ)に見せこそ 劒刀(つるぎたち) 齋(いは)ひ祭れる 神にし坐(ま)せば                        (13−3227)
  反歌
神名火(かむなび)の三諸の山にいつく杉思ひ過ぎめや蘿生(こけむ)すまでに    (13−3228)

  鴨君足人(たりひと)の香具山の歌一首 并に短歌               (二五七番歌の反歌の一首)
何時の間(ま)も神(かむ)さびけるか香山(かぐやま)の鉾榲(ほこすぎ)が本(もと)に薜生(こけむ)すまでに                              (二五九)
  蘿(こけ)を詠む
み吉野の青根が峯(たけ)の蘿蓆(こけむしろ)誰か織りけむ經緯(たてぬき)無しに(一一二〇)
蘿(こけ)