からむし

この草は昔は繊維を取るために栽培もされたのであ
ろうが、今は道の端や荒れ地にはびこる雑草となって
いる。牛や山羊が好ん食べる植物の一つだったので、
子供の頃、牛の餌として刈り取った記憶がある。

  京職藤原大夫、大伴郎女に贈る歌三首〈卿、諱
  を麿と曰ふそ〉(第三首)

むしぶすま柔(なご)やが下に臥(ふ)せれども妹とし
寢ねば肌(はだ)し寒しも       (四ー五二四)

(カラムシの繊維で作った上布団の柔らかな下で寝て
いるけれども、貴方と共寝をしていないので、肌が寒く
感じられることだ)
〈カラムシの繊維は麻などと同じく植物繊維で、繊維を
打って柔らかくしたとしても、果たして絹のように温かい
ものかどうか不明。貴族がこれを着たかも不明。古事
記歌謡のムシブスマを応用したと表現とみられるが、実
体については諸説ある〉