いちさかき(ひさかき)

宇陀(うだ)の 高城(たかき)に
鴫罠(しぎわな)張る
我が待つや  鴫(しぎ)は障(さや)らず
いすくはし くぢら障(さや)る
前妻(こなみ)が 肴(な)乞(こ)はさば
立柧●(たちそば)の 実(み)の無(な)けくを
こきしひゑね 
後妻(うはなり)が 肴乞(なこ)はさば
■(いちさかき) 実の多(おほ)けくを
こきだひゑね
ええ〈音引け。〉しやごしや
此(こ)は 伊能碁布曾(いのごふぞ)
〈此の五字は音を以ゐよ。〉
ああ〈音引け。〉しやごしや
此(こ)は嘲咲(あざわら)ふぞ。(神武記 久米歌)

 宇陀の 高い砦に 鴫の罠をかけておいた
 私が待っていると 鴫はかからないで
 くじらがかかっている
 古女房が おかずを求めたら
 たちそばのように 実のないところを 少しやれ
 新しい女房が おかずを求めたら
 いち榊のように 実の多いところを どっさりやれ 
 ええ しやごしや こいつは(掴まりながら)歯向かうぞ
 ああ しやごしや こいつは可笑しいわい