桧(ひのき)
  山を詠む
鳴る神の 音のみ聞きし 卷向の 桧原(ひはら)の山を 今日見つるかも(一〇九二)
           (柿本朝臣人麿歌集歌)
  葉を詠む
いにしへに ありけむ人も わが如か 三輪の桧原に 插頭(かざし)折りけむ(一一一八)

往く川の 過ぎにし人の 手折らねば うらぶれ立てり 三輪の桧原は(一一一九)
 右の二首は、柿本朝臣人麿の歌集に出づ。