二年壬寅、太上天皇(おほきすめらみこと)の參河 国に幸しし時の歌
引馬野(ひくまの)に にほふ榛原(はりはら) 入り亂り衣にほはせ 旅のしるしに (1−57)
右一首、長忌寸(ながのいみき)奧麿(おきまろ)
高市連黒人の歌二首(2)
いざ児ども 大和へ早く 白菅(しらすげ)の 真野の榛原(はりはら) 手折りて行かむ (3−280)
黒人の妻の答ふる歌一首
白菅の 眞野の榛原 往(ゆ)くさ来(く)さ 君こそ見らめ真野の榛原 (3−281)
ハリに比定される植物の一つが榛の木