あけびー佐野方


狹野方(さのかた)は實(み)にならずとも花のみに咲きて
見えこそ戀の慰(なぐさ)に    (10−1928)

狹野方は實になりにしを今さらに春雨降りて花咲かめやも
                     (10−1929)

歌の内容と対応する植物であるかどうか、疑問なしとしない。

 アケビには三つ葉アケビと五つ葉アケビがある。
東北地方では、アケビの実の皮を食用にするようで、
近所の福島県出身の方から頂き、食べたことがある。
ほろ苦い味があり、酒の肴向きかと思った。試しに
故郷のアケビの皮を食べてみると、これは苦すぎて
食べられなかった。五つ葉アケビであった。
写真のうち、花は吉野の宮滝近くのもの、実は小生の
故郷のものである。散策のとき、飛鳥の文武陵の南の
小山のすそで、実をみたことがある。
 子供の頃は実のなるところを見つけても、他人には
どこで取ったかいわなかったものである。